リーキーガットの食事に玄米はなぜ良くないのか?
食事指導でとても多い質問が「玄米の方が体にいいのでしょうか?」「玄米にした方がいいですか?」というもの。
答えは「人による」です。玄米に限らずですが、治療段階や体質によって優先すべき食事は異なるため、詳しく状況を聞かないと分かりません。
しかし、明らかにリーキーガット持ってそう、なら基本的にはおススメしません。
なぜなら、リーキーガット=消化力低下 ですから、消化の悪い玄米は逆に負担になります。実際、よかれと思って玄米食にしたけれど、便秘になる、胃がもたれてしまう、という患者さんはよくいます。
私も何度かトライしてみましたが、未消化のままトイレに出てくるという(失礼)。セルラーゼ(消化酵素)明らかに足りない私…(涙)
玄米はたしかに栄養価が高い食品ですが、そのメリットを享受できるスペックの持ち主はあまり多くない印象。
とくに、女子は「脾虚(ひきょ)」といって、胃腸虚弱、消化力が弱いひとが大多数。いくら良いものでも、消化できなきゃ意味なしですからね。
しかし、リーキーガットに玄米をおススメしない理由は他にもあります。
リーキーガットの食事に玄米を食べない方がいい理由
玄米のリスクは2つ「フィチン酸」と「カドミウム」です。では1づつみていきますね。
玄米に含まれる「フィチン酸」のリスクとは?
「フィチン酸」とは、玄米(ぬかの部分)や穀類、豆類に含まれる成分ですが、これが亜鉛や鉄と結合する作用がつよく、長期摂取によってミネラル欠乏を起こす(ミネラル吸収阻害)と考えられています。
これについては、ぬかの状態で摂取するフィチン酸は吸収阻害しない、という意見もあり、その真偽についてははっきりとした研究結果はありません。
しかし、多くの患者様をみてきて思うのは 玄米食が長い人ほど鉄欠乏が強い という事実です。顔色も黒っぽくくすんでいて、疲労感がつよい、髪がパサパサ、爪がもろい…。多分、亜鉛も不足してて、タンパク合成低下してるんだろうな…って、モロに外見に出ている。
発芽させると、フィチン酸が減るので発芽玄米にするのも良いでしょうが、あれ、手間がかかり過ぎるし、食中毒の起きやすい温度帯で発酵させるので気を付けないと危険…リーキーガットで免疫低下してるし、不調なのですから、発芽玄米は現実的ではない提案になるので、あまりカウンセリングでは提案してません。
玄米に多い「カドミウム」のリスクとは?
主食が米という事もあり、日本人のカドミウム摂取源は半分近くが米です。
カドミウムはぬかの部分に溜まるため、白米に比べて玄米の方がカドミウム含量が多い。
リーキーガットで腸がダダモレになっているのに、毎食玄米を食べてたらカドミウムをせっせと送り込む事になります。腸粘膜が健全なら、多少の毒は大丈夫ですけどね。リーキーガットが良くなるまではリスキー。やめといた方が無難かと。
このカドミウム、体内に蓄積すると「鉄剤でもよくならない貧血」を起こします。以前、アドレナルファティーグセミナーに参加したとき講演ていた栄養・漢方療法のドクターも「鉄欠にカドミウム蓄積が多い」という事をおっしゃっていました。
ではカドミウムがなぜ悪いのか? 懐かしの周期表をご覧ください。
カドミウム(Cd)と 亜鉛(Zn)が同じ列にありますね?
同族元素、つまり 性質が似ている という事です。
亜鉛が本来働くべき場所にカドミウムが邪魔して入り込み、ミネラル代謝を阻害します。リーキーガットに亜鉛が大変重要なのはこちらでも書きました。リーキーガットの原因は亜鉛不足!亜鉛不足の判定法と解消法について解説
リーキーガット治したいなら、鉄や亜鉛などのミネラル補給は超重要です。玄米によって、それが阻害されるリスクがあるので、リーキーガットに玄米はおススメ出来ません。
リーキーガットの食事で玄米の代わりに何を食べたらよいか?
まとめると、玄米を食べてメリットがある人は
- 胃酸、消化酵素しっかりでる消化力高い
- 腸の粘膜、フローラが健全
この辺がクリアできてればよいと思います。無農薬玄米が買えれば尚よいですね。
合う人は筋肉もりもりの男性とか、そんなイメージ。鶴太郎さんは、個人的に玄米やめたほうがいい気がします… 顔色あまりよくない。笑
では、主食は何を食べればいいの?という事になりますが、おススメは「白米に雑穀を混ぜる」です。
こちらは、私の常備雑穀たち。その日の気分で適当に混ぜています。
黒米は、もちもちしていてポリフェノール(アントシアニン)も多く大好きなのですが、玄米なのでとり過ぎず、「無農薬」を選ぶようにしています。(3合に大さじ2杯くらい混ぜる)
↑こちらは分かりにくいですが、奥にあるのが「キビ」いりご飯。「お腰につけたキビ団子♪」の、あのキビですね。小粒で、口当たりが白米食べてるのと変わらず初心者でも食べやすい。黄色くてなんとなくキレイだし、B群も豊富。
あとは、黒豆を混ぜたり、ヒジキを混ぜたり、気分で変えています。
白米は血糖値を急上昇させやすいので、自律神経を乱したり、タンパク質の糖化(グリケーション)のリスクがあります。食べる順番に気を付け、このように食物繊維の多いものを混ぜるとよいですよ。
あとは、ゆっくり冷やしておにぎりにすると「レジスタントスターチ」(難消化性でんぷん)がふえて、血糖値を上げにくくしますし、腸の酪酸菌やビフィズス菌のエサとなり、腸内環境の改善に役立ちます。レジスタントスターチについてはこちらで書きました。リーキーガットにおススメ!ドラックストアで買えるあのサプリメント
玄米と白米のメリット、デメリットご参考にしてみてくださいね!
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