リーキーガットの治療で1番大切なのは食事!「腸ケアの4R」とは?
リーキーガットの治療は食事療法がメインになります。なぜならリーキーガットを起こす大きな原因は食事だから(当たり前のことを言ってしまった 笑)
栄養療法では、腸のケア「腸の4R」というものがあります。
- Remove(取り除くこと)
- Replace(補充する)
- Reinoculate(植菌する)
- Regenerate(再生する)
詳しくみていきますね。
リーキーガットの原因を取除く(Remove)
腸に有害なものを取り除きます。腸のタイトジャンクションを開くもの、カンジタ菌を増やすものを控えます。
カンジタ菌を増やす食事
カンジタ菌は糖質や水銀、鉄を好みます。特に糖質をとり過ぎているとまったくカンジタ菌が減りません。
また、カンジタ菌がルンルンしている状態で鉄のサプリを飲むとカンジタ菌の増殖を助長する事になるため慎重に。
カンジタ食の基本的な考え方は以下の3つになります。
1、精製された糖質・砂糖、炭水化物のとり過ぎに注意
糖質は白砂糖だけではなく、はちみつ、メープルシロップ、きび糖、ココナッツシュガーなど全てです。できる限り制限していきましょう。お米、いも類、果物も同様に糖質が多いため出来るだけ控えます。
さらに徹底的にやるぞ!っていう上級者は、糖質の多い野菜等も控えます。人参、たまねぎ、トウモロコシ、豆類など。
ただし、初めての方はここまでやらなくても良いでしょう(出来る人はほとんどいない)。まずは炭水化物、糖質を減らすところからスタートですね。
2、カビを含む食品を控える
きのこ(同じ真菌類)、ナッツ類(カビの付着が多い)、コーヒー豆(カビの付着が多い)、調理してから時間のたった食べ物(おとといのオカズとか)などです。
餅とかミカンにカビが生えると、見えるカビだけとって食べたりしますがこれもヤバ。見えないけど周辺の部分にもしっかり付着しているそうデス。
3、カンジタの好きな水銀の含まれる食品(大型魚)を控える
食物連鎖の上にいる魚ほど水銀やその他の毒素が濃縮されているため、大型魚(とくにマグロ)はNGです。また生育期間の長い魚も同様。主な汚染源は火力発電所で、WHOも警告していますがアジア地域の水銀汚染は相当です。
あとは歯の詰め物、アマルガム合金も水銀が50%含まれます。飲み食いする度に水銀が漏れだし常に暴露している状態に。くすんだ歯の詰め物がある方は必ずチェックを。
腸に穴をあけ炎症を起こすもの
ゾヌリン(タンパク質)を放出したり、消化しにくく炎症をおこしやすい食品は腸のタイトジャンクションを開く原因ですのでこれらを控えます。
1、小麦(グルテン)、乳製品(カゼイン)を控える
小麦、乳製品は消化しにくく腸に炎症を起こしタイトジャンクションを開く代表選手です。これらを控える事で劇的に体調やお腹が良くなる方もいます。
グルテンフリーを始めると、日本の外食が小麦まみれだと気付きます(笑)パン、麺、餃子、パン粉、天ぷら、クッキー、パンケーキ….
蕎麦も10割じゃないのは結構小麦が入ってる。その他、忘れがちなのはカレールー、シチューのルウ、ひき肉料理のつなぎのパン粉とか。
乳製品はチーズ、ヨーグルト、生クリーム、練乳など。バターはほどんどカゼインが含まれないので食べて大丈夫。
2、レクチンの多い穀類、野菜を控える
小麦グルテンもレクチンの一種です。レクチンも消化しにくくタイトジャンクションを開く原因に。
他にはじゃがいも、ナス、トマト、ピーマンなどのナス科の食品、大豆製品、ピーナッツなど豆類に多い。あとはトウモロコシなどのレクチンを含む穀物をエサにしている牛や鳥などの肉。(えぇ~~肉も~ 涙)
だからと言って、グラスフェット牛(草を食べて育った牛肉)を食べられる経済力がある人ってどんだけいるのかって話ですが…。
どちらかと言えば、レクチンも上級者向けです。とりあえずは、小麦、乳製品が優先。それでもよくならないならレクチンも視野にいれましょう。
3、お酒を控える
アルコールも腸粘膜を傷つけタイトジャンクションを広げます。これ、ひとによっては小麦より辛いかも?ですね。我慢しすぎたストレスでリーキーになったらどうしよう~(ほどほどにね)
善玉菌を減らす有害なもの
善玉菌がへると、悪玉菌が優勢になりカンジタがルンルンし始めます。善玉菌を減らすものをあげます。
1、過剰な量の肉
食べ過ぎると悪玉菌が優位になりの腸内環境を悪化させます。肉は良いたんぱく源だし鉄もとれるけど、とり過ぎに注意ですね。
2、発酵食品、天然酵母
意外なところかもしれませんが、ぬか漬けや麹などの発酵食品を悪玉菌が優位の状態でとると、悪い方に発酵を手伝うことがあります。パン作りに使う酵母も同様。
もしこれらをとって調子が悪いと感じるならまずは控えてみます。発酵食品で反応する方は比較的少ないですが、抗生剤を何回も使ってきて腸内環境がめちゃくちゃになってる方なんかでたまにあります。
個人差もあり様子を見ながらになりますが、善玉菌を増やすのに役立っていることも多くありますので、必ずしも制限する必要はありません。
3、添加物、農薬、GMO(遺伝子組み換え)、塩素など
これらも善玉菌や腸の微絨毛を減らす原因です。ゼロにはできませんが、出来るだけとらない工夫をしましょう。
加工食品やインスタント食品、コンビニなどは便利ですがとり過ぎ注意。農薬は良く洗い塩ずりする。農薬を落とすホタテパウダーもおススメ。
水道水は浄水器を通すのが理想です。
リーキーガットで低下している消化吸収力を補充(Replace)
リーキーガットは腸が穴だらけで炎症を起こし消化吸収力が低下しています。日焼けした肌に高価な美容液を塗っても逆効果なのと同様に、腸に炎症を起こしたままサプリメントを飲んでもうまく効きません。
まずは炎症をとることが最優先、これは栄養療法では基本のキです。
そのためにまず消化吸収力を助ける材料を補充して炎症が起きにくくします。粘膜の修復や炎症改善、栄養状態の改善のにつながります。
- 消化酵素で消化を助ける
- 胃酸を足して消化を助ける
どちらも、体内での分泌量が不足すると腸内環境を悪化させてリーキーガットの引き金になります。
未消化のタンパク質や、殺しきれなかった食品に含まれる雑菌類が腸に流れ込む事で悪玉菌を増やし、カンジタ菌が増殖するためです。
自前の消化酵素や胃酸をしっかり出すには、楽しく食べて、よく噛むことが大切。あとは胃酸の代わりになるレモン汁や梅干しを取り入れるのもgood。
手軽にサプリメントでも補充できますので後ほどご紹介したいと思いますが、一つ注意していただきたいのは、ドラックストアによくある消化酵素。
日本のってだいたい胃酸抑制の成分が入っている物が多いので要注意です。基本的に胃酸は抑えてはダメですよ。
リーキーガットの治療に必要なのは良い菌を増やす事(Reinoculate)
良い菌を入れて腸内フローラを改善し、カンジタ菌ふくめ悪玉菌が増殖しにくい環境を作ります。
1、乳酸菌、ビフィズス菌、酪酸菌など(プロバイオティクス)
これらは市販でもたくさんあり手軽に手に入りますね!しかし腸内フローラは人それぞれのため、こればっかりは飲んでみないとどれが合うかわからない。とりあえず1週間試して良い変化がないなら、次をトライするといいですよ。
私もいろいろ飲んでみましたが、合うものだと1週間くらいで何かしら良い変化が見られます。肌がツルツルになったり、便の状態が良くなったり、気持ちが明るくなったり。
ちなみにカンジタによいと言われるアシドフィルス菌も試しましたがイマイチでした。やはり菌は単体でとるより、複合的に入れる方が効果が高い印象。
2、善玉菌エサになる食物繊維、オリゴ糖など
水溶性、不溶性どっちもしっかりとりましょう。簡単に分けると一般的な野菜は不溶性が多く、海藻やネバネバしてるのが水溶性です。
乳酸菌やビフィズス菌は水溶性食物繊維を材料にして酪酸菌、ビタミン類を産生しています。(乳酸発酵)
しかし、皆さんたいてい水溶性が不足している事多いので、モズク、めかぶ、おくら、モロヘイヤ、こんにゃく、寒天、アボカドなんかがおススメです。(※海そうはヒ素が多いのでとり過ぎ注意)
リーキーガットで穴のあいた粘膜と炎症を治す材料をいれる(Regenerate)
穴だらけで炎症を起こした腸粘膜を修復する材料を入れます。
1、グルタミン
腸上皮細胞の唯一のエネルギー源はグルタミン(アミノ酸)です。リーキーガットのファーストチョイスサプリメントですね。グルタミンを入れると入れないでは改善のスピードが違います。これは食事でとれる量では追いつかないのでサプリメントが良いでしょう。
2、亜鉛、ビタミンD、ビタミンA
粘膜再生に必要な栄養素です。細胞分裂の初期に必要になりますので、分化の多い組織で需要が高い。(舌とか腸とか精巣とか)特に亜鉛不足はリーキーガットの原因になります。
3、酪酸菌
すぐれた抗炎症効果があります。乳酸菌やビフィズス菌が食物繊維を食べて酪酸菌を生成しますが、そもそも善玉が減ってしまっている人は補充すると良いでしょう。
市販ではミヤリサンが超有名、病院では整腸剤としてミヤBMの名で処方されますね。
4、ボーンブロス
骨付き肉の出汁です。腸粘膜の修復に必要なアミノ酸をたっぷり含み、骨の髄からミネラルも溶け出している最高の食品。
リーキーガットを治す食事の心得
色々書きましたが、じゃ何を食べればいいのさ?!って思った方も多いと思います。その位、カンジタ食って大変。
食品には必ず良い面、悪い面があります。つまり1つの食材を、これは良い、悪いとジャッジ出来ない。私たち栄養士は、〇〇って痩せるかな?みたいな質問を良くされますが、そのような考えではなかなかうまく行きません。
患者さんにもよく伝えるのは「ベストではなくベターで選んでくださいね」という事。食事療法には順番があります。間違えると良くならない。
今、自分は優先すべきことは何か?を明確にすると何を選んだら良いか見えてきます。食事とはただの栄養ではありませんよね?おいしく、楽しむエンターテインメント、コミュニケーション、文化でもあります。
考えすぎて食べる物がない!なんて嘆く事がないようにして下さいね♪次回はリーキーガットでとりたい食品についてもっと詳しく書きたいと思います。
コメント