リーキーガットの原因は亜鉛不足!亜鉛不足の判定法と解消法について解説

リーキーガットの原因は亜鉛不足!亜鉛の重要性と不足の判定法について

亜鉛が不足するとなぜリーキーガットになるのか?それは腸の上皮細胞の代謝が滞るためです。詳しく解説してみます。

細胞の分化の活発は場所では亜鉛の需要が高くなります。それは、亜鉛が細胞分裂の初期にDNAをコピーする作業で必要な栄養素だからです。腸の上皮細胞の代謝はとても活発で3~4日で入れ替わっていますので、亜鉛不足は当然、腸の上皮細胞を弱らせます

 

つまり、亜鉛欠乏により腸管バリアの要であるタイトジャンクションが緩むの状態を起こします。(=リーキーガット)

 

また、亜鉛不足は腸内フローラのバランスをも変化させることがわかっています。亜鉛不足は、短鎖脂肪酸の産生にすぐれているファーミキューテス門の細菌増殖を抑制します。

 

腸内の短鎖脂肪酸が減少すると、亜鉛吸収率を低下させるためさらなる悪循環になると考えられています。

 

その他、亜鉛不足で小腸上皮細胞のアポトーシス(細胞の自然死)が阻害されることが分かっています。アポトーシスの阻害とは、細胞の自然な代謝を邪魔することですから、がんのリスクが上昇することを意味します。

 

栄養療法のクリニックに来る患者さんのほどんどが亜鉛不足です。ここでは、自分が亜鉛足りてるのか?のチェック法について書いてみます。

亜鉛不足を知る方法1(血清亜鉛濃度)

亜鉛は細胞内に多いミネラルですが、血中濃度からも充足度合いを推測できます。分子栄養での健康値は95~100くらいが目安です。これくらいあれば亜鉛が足りてそうね、と推測します。

 

ただ、血清亜鉛は日内変動があり、AM高い、PM低い、と出てその差は約20近くあるため採血時間を必ずチェックします。例えばAMの採血で95ならちょっとあやしい。不足しているかもしれません。

 

また脂肪肝や溶血があると亜鉛が細胞から逸脱して出てくるため、数値が高めに出る事があり、これをマスキングといいます。亜鉛不足でも、脂肪肝があると一見ちょうどよい数値になるという現象です

 

検査値をみるときにはマスキング、採決時の状態、他の数値とのバランスを考慮して栄養状態を推測します。数値が低いから単純に足りてないよ!とは言えません。

 

亜鉛不足を知る方法2(ALP)

血液検査「ALP」の数値でも、亜鉛不足を推測することが出来ます。これは健康診断でも計る事が多いですね。

 

ALPとはアルカリホスファターゼ」という酵素です。

 

ALPは細胞分裂やエネルギー産生に必要な酵素の一つで、肝臓や骨の代謝が亢進しているときに上昇します。なので検診ではALPが高いとこれらの細胞の破壊が進んでて、修復が盛んなので上昇してるよ=注意してね、となります。

 

しかし分子栄養では、低い事も問題視します。ALPは亜鉛とマグネシウムに反応する酵素ですのでこれらが不足すると活性化しません

 

理想値は150以上です。これ以下の場合は亜鉛、マグネシウムの不足が推測されます

 

ただし、血清亜鉛同様、ALPも他の要因で上昇するマスキングが多いので、この数値だけで亜鉛不足の判断は出来ません。上昇する要因は

  • 骨粗鬆症
  • 成長期
  • 脂肪肝
  • 胆石

などがあります。だいたいリーキーガットになる人は、糖質過多で脂肪肝持ちが多く、ALPも一見理想値になっているがケースがよくあります。

 

しかし、確実なのは150以下なら間違いなく亜鉛、マグネシウム不足が疑われるという事です

これは私が超具合悪い時のデータ、ALP119って完全に亜鉛不足。一般的な検査値の見方をすれば基準値に入ってれば問題なし、とされますよね。

 

私も健康診断ではひっかかるような数値になったことはなく、ずっと優等生だと思っていた。しかし、過去のデータを引っ張り出して、分子栄養的な見方をしたら相当ひどい栄養不足(笑)

 

まとめると

  • 亜鉛が不足するとリーキーガットになりやすい
  • 血清亜鉛、ALPで亜鉛不足が推測できる
  • 検査値にはマスキングがあり見方に注意

です。

リーキーガットの原因、亜鉛不足をおこす食事や生活習慣とは?

なぜ亜鉛が不足するのでしょうか?その理由はたくさんありますが、食べていないというよりも他の影響が大きい気がしています。

胃酸の不足

亜鉛、マグネシウム、鉄などの2価イオンをもつミネラルは胃酸の影響を受けて吸収されます。よく噛まない、早食い、リラックスして食べていないなどの習慣で胃酸量が低下し、亜鉛の吸収率を下げています。

また、胃酸はタンパク質から作られるためサラダとパスタばかりたべている女子は胃酸が少ない傾向に。

飲酒習慣
アルコールの代謝(解毒)に亜鉛が消費されるためです。

食品添加物・農薬
腸内フローラに悪影響をあたえ、亜鉛の吸収を阻害します。添加物の多い食習慣のかたはミネラル不足が深刻です。

有害金属の蓄積

水銀はアマルガム、マグロなど大型魚、ワクチンの防腐剤などに含まれます。カドミウムは農薬、玄米など。

亜鉛、水銀、カドミウムは同族元素(構造が似ている)のため、これらの有害金属により亜鉛の吸収が阻害されます。

ストレス
ストレスがかかるとメタロチオネインという解毒のタンパク質が合成されます。
メタロチオネイン合成で亜鉛が消耗されます。

またストレスにより腸内フローラが悪化して亜鉛の吸収率が低下します。

環境ホルモン・ピル
これらはエストロゲンに影響をあたえて血中の銅を上昇させます。環境ホルモンの代表選手はプラスチック製品や日焼け止めの紫外線吸収剤など。

亜鉛と銅は拮抗する性質があります。拮抗とは、血中に亜鉛が多くあると銅の吸収が抑制され、銅が多くあると、亜鉛の吸収が抑制される状態です。

つまり銅が多くなる環境で亜鉛不足が起こります

亜鉛不足を解消する方法2つ

亜鉛不足を解消するために大切なのは以下の2つです。

1、亜鉛の吸収を妨げる物、亜鉛の消耗する原因を排除する

これは先ほど挙げた内容ですね。お酒、添加物をひかえる、有害金属をデトックスするなど。

2、こまめに亜鉛を補給する

亜鉛は体に貯めておくシステムがありません。たとえば、鉄にはフェリチンという貯蔵タンパクがあり、カルシウムには貯蔵庫の骨があります。不足してもそこから補えるシステムが備わっています。

しかし、亜鉛にはそれがないので不足するとすぐに症状に出やすい。だからこまめにとってほしいミネラルなのです。

亜鉛が多い食材は、牡蠣、レバー、卵黄などの動物性食品です。亜鉛は過剰の心配がほぼないのでサプリメントでもいいですね。腸を健康に保ちたいなら、マクロビとかやってる場合ではないですよ~。

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