リーキーガットの食事で抗炎症対策がマストな理由
リーキーガットでは腸に炎症がおきて腸モレがおこっています。細菌や細菌の出す毒素、食事の中に含まれる毒素や未消化物などの腸の内容物が選択されることなくモレだして血管内に入り込む状態。これらが全身を巡ることで、各臓器に炎症を起こします。つまり腸モレをほおっておけば、腸だけでなく全身に炎症が広がるリスクが。
では炎症とはなんなのか?例えば、日焼けは皮膚の炎症、肺炎はウィルスや細菌感染による炎症など。これらは急性で症状がはっきりしており分かりやすいですが、怖いのは自覚症状がない慢性炎症。
自覚症状のない慢性炎症の例
- リーキーガット(腸の炎症)
- 脂肪肝(やせたスイーツ女子にも多い)
- 肥満(インスリン抵抗性)
- 歯周病、歯根感染、インプラントの炎症
- 喉の奥、慢性上咽頭炎
- うつ病などの精神疾患(脳の炎症)
最近では、うつ病などの精神疾患も脳細胞の炎症が原因だと分かってきました。
発達障害や自閉症などの子供も脳の抗炎症アプローチを行うと症状が改善するそう。いわゆるリーキーブレイン(血液脳関門のダダモレ)ですね。リーキーブレインについてはまた別記事でまとめたいと思います。
栄養吸収には腸粘膜の抗炎症対策が何よりも大切なのですが、なんせ自覚症状がないのでみなさんあまり重要視しない。サプリメントを飲んでも効かないのはだいたい腸に問題(炎症)があるのに無駄にサプリメントを飲んでいたり(もったいない…)。なかなか痩せないのもリーキーガットによる腸の炎症が全身に飛び火して、インスリン抵抗性が原因の可能性あり。
では炎症があるかどうか?の確認はどうしたらいいか。
- IgGアレルギー抗体検査で反応が多い人
- 血液検査で抗体タンパクのγグロブリン値が高め
- 血液検査 CRP、TNFαなどの値が高め
などは慢性炎症を疑いましょう。ここで注意なのは「数値が基準値だからOK!」ではありません。分子栄養学的な健康値はまた違います。例えばγグロブリンなら16~、CRPは0.02~ これらはいわゆる基準値で健康診断では問題なしとされますが、栄養療法では炎症対策を考えます。
「血液検査受けてないから分からない…」という方は、是非「自分の舌や鼻くそ」をご覧ください。(出来れば朝いちばんの起き抜けの舌)体内に炎症のある方は、舌も赤みがあり、鼻くそが黄色になります。これは中医学の診断方法「舌診」や「望診」です。赤や黄色は体内の熱(炎症)を表します。
例えば、舌のふちは肝臓の状態を表すのですがここが赤い人は、脂肪肝だったりお酒好きが多い。私はカウンセリングしていると患者さんの舌が見たくて見たくてしょうがなくなる病なのですが(笑)だってある意味、数値よりも正確だから。
生化学検査ではマスキングといって、上昇要因と下降要因を両方もっていると数値が一見ちょうどよく収まる事があります。ですから、検査値の見方は難しく、それだけで判断するのは危険なのですが、そんなとき「舌診」や「望診」は非常に役立ちます。
リーキーガットの食事で抗炎症のための基本情報3つ
タバコ、お酒の飲みすぎ、肥満などの分かりやすい炎症原因はとりあえずおいといて、自覚症状のない慢性炎症を起こさないための生活注意点を上げてみます。
①糖質のとり過ぎをやめる
血糖値を急上昇させる糖質過多な食事は、高血糖により血管を傷つけます。糖尿病で最後には腎臓がやられちゃうのも高血糖による毛細血管の損傷です。高血糖は血管、細胞(タンパク質)などあらゆる組織を傷つけ、老化させます。過剰な糖質は、腸カンジダの原因にもなりますしね。
②ストレスをどうにかする
慢性炎症の原因になりやすいのが、副腎から分泌するホルモンのコルチゾール。
コルチゾールは抗ストレスホルモンといわれ、ストレスがかかると大量に分泌されるのですが、長々とつづくと逆に炎症をおこす作用があります。「断れない、頑張り過ぎる、言いたいことが言えない」などの気質の方は副腎を酷使して炎症体質になるリスク大。
また、コルチゾールは血糖調整する働きもあります。「コーヒーがないと無理」って方は、副腎を酷使してコルチゾールが出にくくなっているためカフェインによるアドレナリンの血糖調整に頼らないと生活できない状態かもしれません。これ、すでに副腎疲労症候群(アドレナルファティーグ)ですよ?
③リーキーガットを治す
冒頭でも述べたように、リーキーガットがあると未消化物が吸収されてしまいますので全身の慢性炎症の原因に。グルテンやカゼインの多い食事を続けていたら炎症はおさまりません。一生食べられないわけではありませんので、治るまでは我慢。治った先の明るい未来を想像して♪
リーキーガットの食事で最強の抗炎症メニューとは?
前置きがながくなりましたが、最強メニューをご紹介します。誰もが大好き(だよね?)で、簡単で美味しい国民的メニューとして、こちらを選びました。すばり「カレー」です。正しくは「クルクミン」ですけどね!
カレーのスパイスと言えばターメリック。このターメリック(ウコン)にふくまれるクルクミンはポリフェノールの一種ですが特に注目したいのは優れた抗炎症効果です。たくさんの研究報告からも実証済み。特に秋ウコンにクルクミンの含有量がおおいそうな。
「クルクミンの効能」
抗炎症・消化促進・抗酸化作用・消化促進・抗菌作用
クルクミンは脂溶性のため、油といっしょにとると吸収がよいのでカレーはその点でも好都合。私はS&Bの赤缶を愛用。出汁にはボーンブロスをつかい大量につくっておいて冷凍しています。スープジャーにいれてお弁当にもgood ! 朝、温めるだけだから楽ちんです。患者さんにも好評。(写真はカレーじゃなくてボーンブロスのトマトリゾットですが)
カレーライスじゃなくて、鶏肉や白身魚をカレー粉でつけておいて、カレーソテーもいいですね♪ひき肉をカレーで炒めてそぼろの常備菜をつくっておけば、おにぎり、サラダ、オムレツの具にも大活躍。これも患者さんに好評。
しかし、注意点は「市販のカレールー」ではNGという事。市販の固形ルーは、小麦やトランス脂肪酸など好ましくない材料が含まれており、クルクミンの薬効よりも、炎症に働くデメリットのほうが大きいと思われます。
「スパイスからカレーなんて手の込んだこと出来ない…」と思う方も多いですが、ズボラな私でも簡単に作っています。いつものカレーの作り方で、具と一緒にスパイスを炒めて、トロミは米粉、出汁はボーンブロスでいいんですよ。(ボーンブロスが無理なら固形の出汁でOK)
リーキーガットの食事で炎症をとる方法まとめ
いかがでしたか?カレーって辛いから、逆に炎症をおこしそう?と思われがちですが、そんなことはありません。(辛すぎはだめですが)炎症をおさえて、消化促進してくれる最強の食材です。
インドの伝承医学「アーユルヴェーダ」では、全ての体質の人にすすめられ、万能のハーブとして使われています。是非、リーキーガット対策に取り入れてみてくださいね。
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