リーキーガットの治療に粘膜ケアのビタミンが必要な理由
リーキーガットでは腸粘膜が弱まり、免疫力が低下しています。
この粘膜を強化することはリーキーガットの治療に欠かせません。粘膜が脆弱だと良い菌も住み着きにくく、せっかくの乳酸菌(プロバイオティクス)も効果半減です。ふかふかのよい土だと作物が良く育つのと似ていますね。
では粘膜ケアに重要な栄養素とはなんでしょうか?
リーキーガットの治療でとりたい粘膜ケアのビタミン2つ
口から肛門までは1本のホースのようにつながっていて、表面は全て粘膜でおおわれていますが、これらの粘膜は3~4日で入れ替わるとても代謝の早い細胞です。つまり、細胞の分化が盛んな場所。
この細胞の分化の初期に特に重要な栄養素は
- ビタミンA
- ビタミンD
- 亜鉛
これらが不足すれば細胞分裂がうまく行われず、粘膜がよわくなります。亜鉛不足がリーキーガットやクローン病などの腸疾患の原因になることは以前にも書きました。⇒ リーキーガットの原因は亜鉛不足!亜鉛不足の判定法について解説
ヒトはDNAの情報をコピーして新しい細胞を合成していきます。これを「遺伝子の発現」といいます。この時、核の中に入って行って「細胞分裂してね」のスイッチを入れる栄養素が「ビタミンA・ビタミンD」。DNAをコピーするときに必要なのが「亜鉛」です。
これらが不足すれば、細胞の分化がスムーズにいかなので、消化管粘膜のように分化が激しい場所は特にダメージが出やすいのです。
ビタミンA、ビタミンD、亜鉛が不足すると例えばこんな症状が
- 受精卵の分化がうまくいかない=不妊
- 分裂の活発な場所の不調=精子異常(奇形率↑)
- 角質異常=魚の目、カカトのガサガサ
- 粘膜不調=食欲低下、リーキーガット、ドライアイ、味覚異常 など
不妊治療の顕微授精で「採卵はできて受精しても、分割しない」という場合、ビタミンAやDが不足している可能性があります。精子の奇形率が高いなら、亜鉛を補給するのは定番治療。
余談ですが、DNAは大切な設計図ですから「核」のなかに大切に保管されていて、間違ったコピーが作られないようになっています。もしDNAが傷ついてしまうと、ミスコピーがおこります。これがご存知の「ガン化」ですね。
この大事な「核」に入っていけるビタミンはAとDだけです。ですから、これらのビタミンは過剰摂取のリスクがあるわけですね。(活性型の場合)
リーキーガットの治療でとりたいビタミンを多く含む食品
ではしっかりととって、粘膜強化しましょう! 何を食べればよいか思いつきますか?
ビタミンA
効率よく摂取するなら動物性食品からがおススメ。緑黄色野菜のβカロテンからもとれますが、βカロテンからビタミンAへの変換はあまり効率がよくありません。(この変換に鉄が必要)
体質によってはβカロテン→ビタミンAへの変換率が9%以下(低っ)という方もいるとの報告もあります。ミカンを食べて手が黄色くなる人は、βカロテンからビタミンAへの変換が下手で、色素(カロテノイド)が皮膚に出ちゃってる可能性大。
このタイプは人参やカボチャではなく、レバーやウナギからビタミンAをとる意識を持ちましょう。
※レバーは活性型ビタミンAですので、多くても週1回程度にしてね。
ビタミンD
市販の干ししいたけは、電気乾燥がおおくビタミンD含有量が少ない場合があります。買ってきたら、一度日光にあてるとビタミンD が増加します。
ヒトも同じく紫外線にあたることで皮膚でビタミンDが作られますので、極端に日光をさけるのはやめたいですね。
亜鉛
亜鉛はミネラルですが、重要なので書いておきます。牡蠣は圧倒的に亜鉛含有量が多いですが、現実的にまめに食べられる食材ではないので、初期治療ではサプリメントもよいでしょう。
体内でビタミンAを運ぶためのトラック、RBP(レチノールバインディングプロテイン)の合成には亜鉛とタンパク質が不可欠です。つまり亜鉛が不足すれば、一緒にビタミンA不足にもなるという事。
栄養は、このようにチームプレイで働くのでなにか1つだけ不足しているという事はほとんどありません。今回は特に重要なビタミンについて書きましたが、総合的にバランスよく食べることを忘れずに!
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