リーキーガットとは何か?
正式には Leaky Gut Syndrome( 腸管壁浸漏症候群 )といいます。
リーキー leaky は「漏れる」、ガットGutは「腸」、シンドロームsyndrome「症候群」 、3つの頭文字を取ってLGSと呼ぶことも。 え?腸モレ症候群!? 尿モレの仲間?(いやいや)
ざっくり言うと、腸の壁に小さな穴(隙間)ができてゆるんだ状態。腸がゆるゆる~!
小腸の表面の細胞の間には タイトジャンクション と呼ばれる細胞同士を結びつける構造があります。このタイトジャンクションがしっかりしている事で、吸収してよいもの、ダメなものを選別できるのです。腸は門番のような役割を担っているのです。腸スゲー!
通常、腸の内容物がこれを素通りして血管内に入り込むことはありません。必要な栄養素は腸上皮細胞が選択して取り込み、毒素やウィルスなどの不要な物質は取り込まないようになっていて、これを選択的透過性といいます。
図で見た方が分かりやすいので ど~ん
画像「ルークス芦屋クリニックHP」より引用
タイトジャンクションがゆるんで隙間ができると、本来取り込まれることのない異物(菌・ウイルス・未消化のたんぱく質、菌の出す毒素など)が血液内にもれてしまいます。 これらが全身を巡ることで各臓器で炎症を起こしたり、免疫異常を起こしたりと様々な症状を起こします。
だから症状は実に実にたくさんありリーキーガット「症候群」なのですね。
リーキーガット(バリア機能低下)がなぜ問題なのか?
で、腸モレがどうマズイのか?
腸って皮膚と同じような働きをします。 皮膚はバリア機能があるから、例えば雨に濡れてもふやけて死ぬ!とか、細菌いっぱいの犬のウン〇を触ったくらいでは感染して病気になるとか無いわけですよね。シミができるのも紫外線からの防御のため。
腸も同じように、食物に含まれる雑菌や腸内細菌が産生した毒素などを取り込まないように監視するシステムがありますが、リーキーガットとはそのシステムが弱まった状態。いらないものが体内に入ってしまうのですね。
ゆる~く生きようぜ!っていうのは健康のために大賛成ですが、腸が超ゆるいのは大問題。腸のバリア機能の低下ですからね… 恐ろしいんですホント。では、もれると具体的にどうなるか?
- 未消化のタンパク質もれ → 異物とみなし抗体つくる → アレルギー
- 腸内細菌の産生する毒素もれ → 肝臓が解毒で大忙し → 疲労・やせない
- 常に色んなウィルスの侵入 → 慢性炎症・免疫低下 → すぐ風邪ひく・感染する・口臭
- 食品添加物もれ → 基準量でもヤバくないかい?
- バリウムもれ → わからんが怖い
腸は「体内の臓器」のように考えがちですが、あるいみ「体外の臓器」。口から肛門様までは1つのホースみたいにつながってて、外界と接している場所。見えない体外なのです。腸から取り込まれて初めて「体内」。門番がしっかりしてないとマズイんですね。セコムやね。
逆に言えば、腸が良ければたまにヤバいの食べちゃってもなんとかしてくれるし、元気だし風邪ひかないでいられる。
余談ですが、ケミカルな化粧品に敏感ですぐかぶれる、なんて方は皮膚のバリア機能が低下している。リーキースキン状態なのでしょうね。
リーキーガットの症状や検査は?
リーキーガットの確定診断は難しいのが現状。タイトジャンクション(分子レベルの細胞間の隙間)があるか?なんで内視鏡でみるのは無理ですからね。
クリニックでは、 IgG食物アレルギー検査 や 総合便検査(アメリカに送る)などでおおよその推測をしますが、なんせ費用が高額になるので深刻な方以外はそこまでやらないことが多い。便検査なんてアメリカに送るし5万~。私は超具合悪かったからやったけど(笑)
検査についてはこちらで書きました。
ドクターはどうやって診ているのかというと「症状」。みんな似たような症状をもってるのですぐわかる。いやーこれ、リーキーっしょ!って診察するのです。風邪の時と同じですね。
検査しなくても、問診で食生活、服薬歴、既往歴、総合的にみて、アレルギーとかアトピーとかじんましん体質があったらほぼ間違いなくリーキーガットですよ?って話をします。
リーキーガットの症状例
- (胃腸)消化不良、便秘、下痢、腹痛、吐き気、過敏性腸症候群
- (精神)不安神経症、頭痛、情緒不安定、うつ、頭が重い、集中力低下、自律神経失調症状
- (皮膚)湿疹、にきび、アトピー、ふけ、じんましん、肌荒れ、多汗
- (呼吸器)慢性副鼻腔炎、ぜんそく
- (泌尿生殖器系)頻尿、夜尿症(小児)、月経前症候群(PMS)、不妊
- (骨格筋系)筋肉痛、関節痛、関節炎、関節リウマチ
- (他)不整脈、慢性疲労、低血糖、免疫力低下、口内炎、むくみ、体重増加、膠原病、頭痛
なんだか誰でも1つくらいありそうですよね?あんまり知られてないですが、現代ではその位リーキーガットが増えてるんですよ。残念ながら私たちの環境はリーキーガットを起こす原因にあふれています。
原因のわからない不調、病院の治療で良くならない症状で悩んでいる方は、一度疑ってみましょう。
リーキーガットの治療はどこで出来るのか
リーキーガットは理論上治ると考えられます。腸の上皮細胞の代謝は早く3~4日で入れ替わるといわれており、正しい対策をすれば回復します。(治療期間や対策、についてはまた別記事で)
しかし、リーキーガットによって引き起こされた2次的な疾患、例えば自己免疫疾患とか、小児期からのリーキーガットによる精神疾患のような長期間の慢性的ヘビーな症状か完治するか?と言われれば難しいでしょう。
ただそれでも症状軽減は期待できますし、根気よく続けて、食物アレルギーがなくなった、とか花粉症がいつのまにかなくなったとか、痩せた!などはよくある事。
日本では医学的にまだまだ認知度の低い病態のため、一般の保険診療の病院に行って「先生!私、リーキーガットかもしれないので診てほしいんです」と言っても、なんのこっちゃ?(面倒な患者が来たぞ…)ってなります。
じゃ、どこで見てもらえばいいの?ってわけですが、栄養療法、分子栄養のクリニック、病院などに行きましょう。ドクターはじめ、ナースさん栄養士さんはリーキーガットを熟知しておられます。リーキーガットウェルカム、むしろリーキーガットの方ばかり来るマニアックな場所なのです。
ただ、都心部では徐々にクリニックが増えてきましたが地方ではほどんどないのが現状。
でもがっかりしなくて大丈夫。自分で出来る治療がたくさんあります!
いや、むしろ普段の食習慣や生活習慣の方が重要。これらの改善なくしてリーキーガットは治りません(断言)。なぜならリーキーガットの原因は食生活が大きくかかわるのです。
薬をのめば、腸モレが治る!ってことはありえません。あるいみ生活習慣病とも言えますねえ。
クリニックに通うほどでもないけど… でも症状がめっちゃ怪しいんだよね!って方に、このサイトで全部もりもり公開していきますね~。
コメント